2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

貴方だけが覚めた夢の跡で 独りで残されて それでも 忘れれば良いと 言えるから 痛みなど 血濡れたままで抱く幻。

夢と知っていて それでも貴方に逢いたくて 靴など脱ぎ捨てて 此処まで来てしまったから もう、 元の場所へは帰れないのに

暁に溶けるように 居なくなるなら 闇に隠れるように 来るくらいなら ねえ 誰か探せばいいじゃない。

羽根さえあれば 引き千切って 剥き出した傷口で 貴方を誘惑できたのに

波打ち際に居るのは苦しいです。 貴方が迎えに来たところで 脚は既に砂に埋まっているから 掘ったところで波に攫われるだけで 遠くの灯りだけ見つめて 朽ちるのを焦がれるだけにしようかと

望むなと言うなら そうですね キミが僕を望むのを望むだけなら

足りないって 解かってる。 それでも 貴方が望まないうちは 言えないから 傍に居てだとか 帰らないでだとか 際限無く求めないうちに 口を噤んで扉を閉めて。

愛してよ。 なんて 無意味な言葉。 貴方へ宛てるのだとしたら 何と言えば良かったろう。 ただ 私はただ もう少し 私を見て欲しかっただけで

合成された言葉なんて 飲み込めば底に溜まった澱のようで 不快な音を立てて 中を滑り落ちる。 キミの言葉が本当なら 僕らは今も消えずに居たのに

希釈する前の気持ちより 薄まった言葉のほうが好きなら その辺の人に奏でてもらえば良いじゃない。

街の喧騒には 興味は惹かれなくて 公園で独り 指先を冷やして 電話を掛けようとして 溜息を吐いて。

そうして白い魚はゆっくりと雪に溶けてゆきました。

感覚を失っても ほら 触覚だけ残しててくれれば 貴方だってことを間違えないくらい 貴方のことが

仄赤い 雪が落ちる。 貴方の頬に 仄赤い 雪が落ちる。 それでも 知らない振りができるなら 今度は望み通り 消えてあげるから。

蛍が逃げる前に 逢いに来たら 温もりを 一欠けらだけ 椛が消える前に また離れてしまうから 雪蟲の下では 貴方の顔も見えないから 薄暗がりの中で 温もりを、 ただ一欠けらだけ。

羽が千切れた魚のように 水溜りに浮かんで 空気を吐き出して 君と歩いた時間を思い出していた 僕が居ない水槽の中は 気持ち良いですか