日記

胃が気持ち悪い 吐きすぎてノドが焼けているし もう全部放り投げて部屋に閉じこもってたい

貴方が吐いた嘘よりも 貴方の吐いた事実の方が残酷で それでも重ねて吐き出す言葉は、 行為として現れたそれよりは多分 真実からは程遠い。

いつだって 君の逃げる先を残しておくために 僕は最後に口を噤むのです。

貴方を縛り付けておくために 言霊を紡いでいたのです。

貴方の声が 聞こえたような気がして 時々 振り返ってしまうのは きっと自分から延びる足跡が どこまでも一人分でしかないことを確かめたくて

貴方の傍に 永久に居られるのなら この恋が続かない等と云うことが 解っているから、 いつでも貴方を愛している 等と言える二律背反。

貴方の吐く戯言が 私の体を通り抜けて行く度に 貴方の 左手を切り捨ててしまいたくなるのです。

言葉も行為も全てが嘘なら 貴方の愛は 何を信じたら良いのか

私を抱きしめて眠る貴方の胸部に 消えない痕を残しておきたくて 今日も貴方に刃物を突き立てる夢ばかり見るのです。

鍵の音は、嫌いではなくて 貴方に、閉じ込められる快感に 縛り付けられる。

真夜中に貴方へ囁く恋の唄は ただ 届かなくとも、と吐き出され 貴方を想う私の心を掻き鳴らして みぞれ雪のようにぼたぼたと地表を濡らしてゆくのです。

貴方が望むことを 全て叶えてあげたいと思うのは 貴方が望む間が 私が存在できるだけの猶予でしかないから。

いつか、は いつでも来ないものですが 貴方の「いつか」を信じてみたくて 今日も貴方の「いつか」に 「いつか、ですね」と 答えてみるのです。

仮想世界の中でなら 僕は僕で居られるのに。 キミが求めた偶像も 壊さないままでキミが想う間ずっと 噛み合わない歯車は 痛みも傷も加速度的に増加させるから 血に塗れたまま辺りに撒き散らして

(即席恋人)

貴方が と呼ぶ其れに 興味など湧く訳もないのに 褪めた笑いは 微かな笑顔で隠して 仮初めの相手程度なら 傷はまだ浅いはずだったのに

(オディール)

仮想世界の中でなら 貴方に恋をするのではなく 貴方に恋させることも 可能性としては 有り得た話。 肉体を持つ世界だからこそ 貴方は私の心に眼を閉じて 見せ掛けだけの私に目を向けるから

滲んだ風景の中 ゆっくりと遠ざかる夢の跡が 鎖となってしまったから また 何所へも行けずに溜息を吐く。

暁の空に消えたのは 貴方との夢 見る影も無く 無残に打ち棄てられた夢は 朝靄の中 哀しく融けてゆきました

片方は失くした もう片方は棄てて 僕はもう 身軽になったから

溜息に似た祈りと 貴方へ捧げる言霊が どこか近いのは きっと どちらも 届かないと謂う意味に於いては

両手を縛るのは キミを抱きしめようとする自分を

逢いたいと 愛したいと 近い心情から出ても 導き出る答えは両極にあるから 両手に何も持つ事の出来ない私は 貴方を愛したりはしない。 逢いたいと告げることすら。

助けを求める 声は枯れ果てて 貴方には届けずに このまま一緒に沈んでしまおう。

手を繋ぐ、という行為への 拒否感というか 抵抗感というか は 多分に 僕が手を繋げない相手とだとか 僕が手を繋げない相手だとか そんな記憶と共に 僕が繋げなかった手を 他の誰かと繋いだキミを羨ましく思って ああ、やっぱり 等とまた溜息一つ、宵待月の空…

また、 キミに逢いたいです。 愛したいわけでも 愛されたいわけでもなく たとえ唯の瑕の舐め合いに終わるとしても ただ、 キミの傍に居て キミの温度を感じて 孤独という音から逃げられるのならば 喧騒から抜け出せる、あの寂しい部屋へ 二人ぼっちで還りま…

恋では無いと僕が言うから キミはいつも、少しだけ笑う。 ねぇ、勘違いでも良いからさ、 恋をしているんだって 教えて欲しいんですが。

期待とか希望とか そんな 過去の記憶が私を唆すので 過去の記憶を棄てるより他なく 溜息と一緒にまた 抽斗にそっと戻すのです

言葉より 抱擁より 記憶に残るより 身体に刻み込むために 貴方という存在により 私というものの存在意義を見出すために 夜露の中を駆けてゆくのです。

(∴解なし)

国語的な考察と 化学的な反応と 数学的な証明と 全ての解を以ってしても キミへの心中立てという「行為」に勝るものは 無いと思うのですが 行為に至るまでの心中は 全ての解を以ってしても

答えを訊くわけではなく 僕の出す仮定を聞くキミの反応を見て推察する 綱渡り的なバランス加減。