2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

貴方の声が 聞こえたような気がして 時々 振り返ってしまうのは きっと自分から延びる足跡が どこまでも一人分でしかないことを確かめたくて

貴方の傍に 永久に居られるのなら この恋が続かない等と云うことが 解っているから、 いつでも貴方を愛している 等と言える二律背反。

貴方の吐く戯言が 私の体を通り抜けて行く度に 貴方の 左手を切り捨ててしまいたくなるのです。

言葉も行為も全てが嘘なら 貴方の愛は 何を信じたら良いのか

私を抱きしめて眠る貴方の胸部に 消えない痕を残しておきたくて 今日も貴方に刃物を突き立てる夢ばかり見るのです。

鍵の音は、嫌いではなくて 貴方に、閉じ込められる快感に 縛り付けられる。

真夜中に貴方へ囁く恋の唄は ただ 届かなくとも、と吐き出され 貴方を想う私の心を掻き鳴らして みぞれ雪のようにぼたぼたと地表を濡らしてゆくのです。

貴方が望むことを 全て叶えてあげたいと思うのは 貴方が望む間が 私が存在できるだけの猶予でしかないから。

いつか、は いつでも来ないものですが 貴方の「いつか」を信じてみたくて 今日も貴方の「いつか」に 「いつか、ですね」と 答えてみるのです。

仮想世界の中でなら 僕は僕で居られるのに。 キミが求めた偶像も 壊さないままでキミが想う間ずっと 噛み合わない歯車は 痛みも傷も加速度的に増加させるから 血に塗れたまま辺りに撒き散らして

(即席恋人)

貴方が と呼ぶ其れに 興味など湧く訳もないのに 褪めた笑いは 微かな笑顔で隠して 仮初めの相手程度なら 傷はまだ浅いはずだったのに

(オディール)

仮想世界の中でなら 貴方に恋をするのではなく 貴方に恋させることも 可能性としては 有り得た話。 肉体を持つ世界だからこそ 貴方は私の心に眼を閉じて 見せ掛けだけの私に目を向けるから

滲んだ風景の中 ゆっくりと遠ざかる夢の跡が 鎖となってしまったから また 何所へも行けずに溜息を吐く。

暁の空に消えたのは 貴方との夢 見る影も無く 無残に打ち棄てられた夢は 朝靄の中 哀しく融けてゆきました

片方は失くした もう片方は棄てて 僕はもう 身軽になったから

溜息に似た祈りと 貴方へ捧げる言霊が どこか近いのは きっと どちらも 届かないと謂う意味に於いては