2006-01-01から1年間の記事一覧

あのとき、 これが きっと最後になるのだろう、と 思いましたので くすりと嗤って 乾いた心臓は合成洗剤で洗ってしまいましょう。

白馬の王子様が居るとでも? などと鏡に向かい 皮肉げに嘲笑って口を歪めてみる。

傷跡を残して キミの居た場所は消えました。 消えるなら 現われなかったら良かったのに。 そう呟いた僕は ただ 躊躇った自分を責めていたのかもしれません。

遠くへ行こうか、と キミが言って 僕は一人 列車に乗り続ける。 環状線は 進んでも進んでも いつかは戻るのに 遠くへ行こうか、という願いの所為で キミへは戻れない。

檻を失くした鳥は 自由と言えるのでしょうか。 主を失くした愛玩動物は 自由と言えるでしょうか。 繋ぐものが無い事こそが 不自由だというパラドクス。

綺麗な思い出だけを詰めて旅に出れば ほら 綺麗な思い出は風化しやすいから 貴方のことなぞ 帰ろうとする頃には消えているから 貴方の処へ還ってしまわずに済むのです。

恋愛などと云うものは 凡て二重底で出来ていて シュレディンガーの猫みたいに いつだって半分は死んでいる。 僕は だから、 いつだって函を開けずに棄ててしまうのだろう。

必要なもの 不必要なもの 選ぶにはどれも大切で どれを棄てれば良いかわからなくなるから 結局 自身を棄てることで満足を得る

遠くへ行きたかった。 キミの呼ぶ声が 僕に届かなくなるくらい遠くへ 戻れずに済むならと願い 僕は海岸に靴を脱ぎ捨てる。

無理などしていない。 無理をしているように見えるのは キミがそのように見たいからなのです。 僕は 無理などしていない。 溜まった毒も、 中るまでは無毒なのです。

最初から 続くわけなど無いと知っていた。 知っていたけれど 始めてしまったのは 貴方に望みを掛けてみたくて 結局こうして傷つくとしても 誰かに望みを掛けてみたくなるのですから

嘘は吐かないと約束したから 全てが真実なのだとしたら せめて最後だけは 真実しか語れないのならば せめて最後だからどうか

傷つけるのが嫌なのだとしたら 最初から私など拾わなければ良かったのに。 手を伸ばされなければ 信じないでいれば 傷はもっと浅くて済んだはずなのに。

自由になって良いよ、と笑って キミの足音が途絶えた。 これがキミの言う自由なのだとしたら 僕は自由なんて要らない。 束縛と切り離された 孤独だけの自由なんて要らない。

諸刃の剣 等というのは只の甘言で 刃がついているのは 僕の方だけで 君につく傷は鈍くても鈍化しない 僕につく傷はいつかは消えてしまうから もっと傷をつけて下さい。 僕がキミにつけた傷はきっと こんな痛みでは償いきれない。

油断

感情など 見せることは過ちにしかならないのに ほら 無い方が痛くなどならないから 感情など知らない振りをしていたのに キミが優しくしたりなぞするから

永遠を望むには諦め過ぎていて 刹那を望むには醒め過ぎていて 人肌程度で刹那を望むほど熔ける筈も無く 醒めた眸で「愛」を観察する 幾ら身体を温めたところで 醒めた心は でしか熔けないと言うのに

貴方に愛された時間 私の眼は貴方を観るための道具でした 貴方に愛された時間 私の腕は貴方を抱くための道具でした 貴方に愛された時間 私の喉は貴方に紡ぐための道具でした 棄てられれば廃棄物 紡ぐ相手も居ないまま紡ぎ続けているのは 生きているのではな…

恋と定義づけてしまうには 哀しいくらいの痛みだとか 欲しいのは甘い言葉ではなくて貴方の負の感情で 痛みを引き受けることでしか 貴方を助けることができない私は それでも遠くへ 貴方の記憶が灰になるまで

考えていた事と 思っていた事は 異なるように見えるけども 蓋を開ければご名答。 ただ、それだけに至るだけの 唯にシンプルな難解。

痛みを消すのと引き換えに 貴方との記憶を棄てるなら 半分しか残らなかった私は後で 笑うのでしょうか。 哀しむでしょうか。

遠くに行きたくなるのは 貴方がいま 誰と居るかを知っている所為で プライドを捨ててでも 縋り付けば良いだとか 思うけども 思うだけで 行けないのは貴方の心の中ですから

貴方が望むなら もしも 貴方が私を望むなら 唯の刹那でも構わなくて 唯の道具でも構わなくて

暇潰しの玩具で在れば 貴方の物になれるのだから 私はそれだけで幸福で 唯その為にだけ在ろうとして 貴方が居なければ 貴方が居ない世界に在っては 現すら棄てるにも惜しまない程の 孤独に包まれて居るのだから

何も要らない

愛などと云う 軽い言葉は欲しくは無くて 抱きしめるだけの 軽い行為は欲しくは無くて 欲しいのは 貴方の心に踏み込む権利だとしたら。 私が口に出来る言葉は唯一つ

笑顔などと云う 偽物の感情を表す仮面で騙すのは 生の感情を隠したい訳では無くて 見せてしまいたい欲求の裏返しだとしたら

一人の時間は 貴方が居れば二人の時間、で 貴方が居なければ 貴方は二人の時間、で 一人の私は 独りの時間。 貴方が居なければ 私は只のスクラップドール。

持て余し気味の 曖昧な距離に戸惑う。 踏み込まなければ 傷つく事もなかったけれど 差し出される怠惰な誘惑は甘く

吐いて棄てた存在意義。 貴方の為に生きて居る等と ばれなければ 棄てずに済んだかも知れないのに

貴方に恋人が居ると云う事実に いつまで 気付かない振りをしていれば良いですか。