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逢いたいと
愛したいと
近い心情から出ても
導き出る答えは両極にあるから
両手に何も持つ事の出来ない私は
貴方を愛したりはしない。
逢いたいと告げることすら。
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助けを求める
声は枯れ果てて
貴方には届けずに
このまま一緒に沈んでしまおう。
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手を繋ぐ、という行為への
拒否感というか
抵抗感というか
は
多分に
僕が手を繋げない相手とだとか
僕が手を繋げない相手だとか
そんな記憶と共に
僕が繋げなかった手を
他の誰かと繋いだキミを羨ましく思って
ああ、やっぱり
等とまた溜息一つ、宵待月の空の下。
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また、
キミに逢いたいです。
愛したいわけでも
愛されたいわけでもなく
たとえ唯の瑕の舐め合いに終わるとしても
ただ、
キミの傍に居て
キミの温度を感じて
孤独という音から逃げられるのならば
喧騒から抜け出せる、あの寂しい部屋へ
二人ぼっちで還りましょう。
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恋では無いと僕が言うから
キミはいつも、少しだけ笑う。
ねぇ、勘違いでも良いからさ、
恋をしているんだって
教えて欲しいんですが。
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期待とか希望とか
そんな
過去の記憶が私を唆すので
過去の記憶を棄てるより他なく
溜息と一緒にまた
抽斗にそっと戻すのです
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言葉より
抱擁より
記憶に残るより
身体に刻み込むために
貴方という存在により
私というものの存在意義を見出すために
夜露の中を駆けてゆくのです。